あと1ヶ月ほどでいよいよCP+ 2017が開催されます。それに向けて各社から少しずつ新製品が姿を現しつつありますが、我等がリコーイメージングからもペンタックスブランドの新しい一眼レフ機が発表されました。

 その機種名は「KP」です。これまでの機種名ルールとは大幅に違うこの新型機はいったい何者なのでしょうか? クラッシック風だとか、ミラーレスじゃないかとか、変わったグリップシステムを搭載してるとか、いろんな噂がありましたが、出てきたものはリトルK-1的な外観を持った、わりと普通の一眼レフ機でした。

IMGP0520.jpg
 発表された内容を中心に、どんなカメラか確認してみましょう。これは買うべきなのか、スルーすべきなのか? を考えなくてはなりません(^^;

基本スペック

 KPのスペックについては公式ページの仕様が一番詳しくて正確です。

 この中から主なところを抜き出して箇条書きにしてみました。

  • APS-C 有効画素24.3Mピクセル / ローパスレスCMOSセンサー
  • PRIME IV + アクセラレータユニット
  • 最高感度 ISO 819200
  • リアルレゾリューション(動体検出機能ON/OFF可能)およびローパスセレクター搭載
  • SRII 5軸5段手ブレ補正
  • 超音波振動式ダストリダクション DRII
  • 視野率100% 倍率0.95倍 ガラスプリズムによる光学ファインダー
  • SAFOX11 27点(25点クロス、中央3点はF2.8対応)新アルゴリズム搭載AF
  • 最高1/6000秒メカシャッターおよび最高1/24000秒電子シャッター
  • 秒間7コマ連写(JPEG:28コマまで、RAW:8コマまで、RAW+:7コマまで)
  • 内蔵ポップアップ式フラッシュ(GN6)
  • チルト式背面液晶 3インチ92万画素
  • 8.6万画素RGBセンサーによるTTL開放測光
  • Wi-Fi機能内蔵
  • Full HD(1080/60i)動画撮影
  • グリップ交換式(S/M/L 3種類、Sは付属、M/Lは別売り)
  • カスタム機能割付けを3ポジション持つスマートファンクション
  • コントロールパネルのカスタマイズ機能
  • 防塵防滴耐寒のマグネシウム合金ボディ
  • 131.5mm(幅)×101.0mm(高)×76.0mm(厚)、重量705g
  • Li-Ion電池(D-LI109) フラッシュなしで約420枚撮影可

 ざっと表面的な部分なぞるとこんなもんかと思います。

 ここで、青字にした部分はK-70ベースと思われる部分、赤字はK-3IIから同等と思われる部分、緑はK-1から持ってきたと思われる部分です。このように、ざっくりまとめて言ってしまうと、「KPはK-70のボディにK-3II/K-1の機能やデバイスを押し込んでギュッと小型化した一眼レフカメラ」と言えそうです。

 そういう意味で、なにか新しい機能やデバイスが投入されてるわけではなく、アリものを再構築したカメラ、ということで冒頭の「わりと普通の一眼レフ」という感想につながっていきます。

リトルK

 さて、ある意味KPの一番の特徴はそのボディデザインではないかと思います。クラシックスタイルと噂されていましたが、蓋を開けてみればそういうのとはちょっと違っていました。

PENTAX デジタル一眼レフ KP ボディ 【ブラック】 KP BODY BLACK 16020
 正面からの写真しかここでは紹介できませんがこんな感じです。とんがったペンタ部はK-1風味。右肩にはスマートファンクションダイヤルが付いてるあたりもK-1風味。それよりも全体的にかなり小型に仕上がっているようです。特に厚さ方向はかなり薄く、シャッターボタンの位置などは昔のフィルムカメラのよう。両肩の高さもかなり抑えられているようです。

PENTAX デジタル一眼レフ KP ボディ 【シルバー】 KP BODY SILVER 16044
 シルバーボディはこんな感じ。なおマグネシウムボディでシルバー仕様が限定品ではなくレギュラー販売されるのは初めてではないかと思います。以前小耳に挟んだ話では、塗装が難しく金型が新しいうちに作ったパーツじゃないとうまくいかないとか。その辺はどうなったのか気になります。

 それはともかく、一時期はあんなにシルバー好きだったのに、最近はどうもブラックボディのほうがしっくりくるようになってしまいました。K-3 Prestige Editionで使われたガンメタをラインナップして欲しいと思います。

シャッター&ミラー&絞り駆動はK-70ベース?

 ひとつ気になるのがミラー、絞り、シャッターの駆動はK二桁/K-Sシリーズのように1モーターで兼用しているタイプ(所謂ガシャコンシャッター)なのか、それともK一桁機のように複数モーターで駆動するしっとりタイプなのか?という点です。

 当初はボディサイズからしてK-70ベースの1モーターだと思っていたのですが、この点については気になる記事が八百富写真機店のブログに載っていて、もしかしたら複数モーター駆動式なのかも?

 カメラの八百富|ペンタックス PENTAX KP 新たなコンセプトのカメラが新登場 !!! - 中古カメラご一行様(by八百富写真機店)

 この記事の中でグリップ側マウント脇の出っ張りに付いて言及があります。これ、K-7時代からあって、K一桁機のボディデザイン上の欠点のひとつだったわけですが、ここには絞り駆動のモーターが入っています。当然K二桁機にはないのですが、KPにはあります。しかもかなり出っ張っています。ということは...?

 上記ブログの中にシャッターを切ったときの動画が貼ってあります。


 このK-5IIとの比較が非常に良くわかります。KPのほうが音が大きく聞こえるのは録画時のマイクの位置の問題なのか、実際にK-5IIよりは大きな音なのか分かりませんが、いずれにしてもこのキレ感からすると、やはり駆動メカ系はK一桁機をベースにしているように思います。

 となると上で書いた「KPはK-70のボディにK-3II/K-1の機能やデバイスを押し込んでギュッと小型化した一眼レフカメラ」は間違いで、正しくは「K-3IIをベースに極限までサイズを切り詰めてK-1風の外観仕上げた一眼レフカメラ」となりそうです。

高感度はどうなのか?

 スペックの中で、書き間違いではないかと本気で疑ってしまうくらい、ずば抜けた特徴がKPにはあります。それは高感度性能です。いや「性能」といってしまうのは早計かもしれませんが、設定可能な最高感度がISO819200と、ぱっと見ではなんだか良くわからない数字となっています。

 少しでも分かりやすくするために、他者含め代表的なカメラの最高感度を比較してみましょう。

機種 最高感度
PENTAX KP 819200   
PENTAX K-1 204800   
PENTAX K-3II 51200   
PENTAX K-70 102400   
Nikon D5 3280000   
Nikon D500 1640000   
Canon 1DX II 409600   
SONY α7S II 409600   

 大体こんな感じです。画素数競争は一段落付いてきた感がありますが、最高感度はいまだインフレ気味。新しくなればなるほど高感度に設定できるようになっています。この中でKPの819200という数字はかなり頑張っていると言えます。

 もちろん、設定可能な最高感度と高感度時の画質は必ずしもリンクしていないかもしれません。実際Nikon D5の320万という設定では、かろうじて何が写ってるか分かる程度だそうです。画素ピッチから考えてもKPはK-1より高感度性能については不利なはずですが、PRIME IVに付け足されている「アクセラレータ」という追加デバイスがかなり良い仕事をするのはK-70からも明らかです。高感度に強いAPS-C24メガ機というのは、他にはなかなかない特徴になるかもしれません。

交換グリップシステム

 さて、噂の段階から変わったグリップシステムを採用しているらしい、という話が流れていましたが、結局とのところグリップが交換できるようになっている、というだけのことでした。デジタル一眼レフでは珍しいですが「な〜んだ、そんなことか」とやや肩すかし気味に感じたというのが正直なところです。

PENTAX グリップ S O-GP167 37176

PENTAX グリップ S O-GP167 37176

  • 出版社/メーカー: ペンタックス
  • 発売日: 2017/02/23
  • メディア: Camera
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PENTAX グリップ M O-GP1671 37174

PENTAX グリップ M O-GP1671 37174

  • 出版社/メーカー: ペンタックス
  • 発売日: 2017/02/23
  • メディア: Camera
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PENTAX グリップ L O-GP1672 37175

PENTAX グリップ L O-GP1672 37175

  • 出版社/メーカー: ペンタックス
  • 発売日: 2017/02/23
  • メディア: Camera
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 交換式グリップは3種類用意されています。一番小さいO-GP167がボディに標準添付されているもの。中サイズと大サイズの二つがオプション販売。手の大きさやグリップの感覚、使うレンズなどによって好きなモノに交換を、ということのようです。ただし、取り付け取り外しには六角レンチが必要なので、出先で小まめに交換、と言うわけにはいかないでしょう。

PENTAX バッテリーグリップ D-BG7 38598

PENTAX バッテリーグリップ D-BG7 38598

  • 出版社/メーカー: ペンタックス
  • 発売日: 2017/04/28
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 グリップ関係では、バッテリーグリップも用意されています。ボディ側の前ダイヤルが縦置きになっているのに合わせて、バッテリーグリップの前ダイヤルも不思議な配置になっています。ちなみにこのバッテリーグリップD-BG7にはボディ側の大サイズグリップO-GP1672も同梱されているそうです。

 うーん、でももしKPを使うなら、そのコンパクトさを生かすためにも標準の小サイズグリップのままで良いような気がしますね。大サイズグリップ付けると、前ダイヤルやシャッターボタンに指が届くのか心配です。

リコーイメージングスクエアで実機展示中

 発表された26日から、さっそく実機がリコーイメージングスクエア(銀座、新宿、大阪)で展示されています。ということで、実はさっそく触りに行ってきました。

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 新宿にはブラックボディにDA20-40mm Limitedズームが装着された状態で置いてありました。レンズのせいもあってか、そんなに「小さい!」と感じることはないのですが、グリップやシャッターボタンの位置、電源スイッチなどの操作は、意外に違和感がなく、前ダイヤルの操作感も悪くありません。

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 シャッターを切った感触はまさにK一桁機のそれです。K二桁機とは明らかに違って、柔らかくてキレがあってとても良い感じ。マルチモーターのメカをよくこのサイズにまとめ上げたものだと思います。

 連写もしてみましたが、非常に軽快でショックも少なく、ファインダーで見えるミラーの動きにも、変なバウンスなどが感じられず、上質な使い心地です。

IMGP0521.jpg
 最近あまり紙のカタログをもらってきて見ると言うことがなくなりましたが、一応初物と言うことでKPのカタログはもらってきました。あとでじっくり読みたいと思います。

買う?

 うーん、何というか触ってみた感じが思ったよりも良くて、少し欲しくなったのですが、現時点で自分のカメラの使い方や、持っているレンズとボディを考え合わせると「必要ない」というのは明らかです。趣味の道具に必要とか不要とか言うのは野暮だとは思ってるのですが。

 K-1と似たような操作系であり、大きさや重さという点でK-1の補完にはなるのは良いのですが、多分私はこの程度の差なら常にK-1を持ち出すと思います。また一方でAFや手ぶれ補正などはともかく、バッファサイズの少なさが致命的で、K-3IIの代わりにもなり得ません。

 でも、高感度性能には興味があります。K-3 IIよりはかなり良いと期待できそうですし、もしK-1と良い勝負か、それ以上だとしたら高感度番長として欲しくなるかも。

 まぁ、分かりません。とりあえず予約して発売日に即買い、ということはないと思います。K-3 IIIはあるという噂もありますし、それを見てから... と先延ばししておきましょう。

PENTAX デジタル一眼レフ KP ボディ 【ブラック】 KP BODY BLACK 16020

PENTAX デジタル一眼レフ KP ボディ 【ブラック】 KP BODY BLACK 16020

  • 出版社/メーカー: ペンタックス
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PENTAX デジタル一眼レフ KP ボディ 【シルバー】 KP BODY SILVER 16044

PENTAX デジタル一眼レフ KP ボディ 【シルバー】 KP BODY SILVER 16044

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